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サツマイモ (さつまいも)
サツマイモの花
サツマイモの花
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: ナス目 Solanales
: ヒルガオ科 Convolvulaceae
: サツマイモ属 Ipomoea
: サツマイモ I. batatas
学名
Ipomoea batatas
L.
和名
サツマイモ(薩摩芋)
カンショ(甘藷)
英名
Sweet potato
掘り出したサツマイモ
さつまいも 塊根 皮むき 生[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 559 kJ (134 kcal)
31.9 g
デンプン 正確性注意 30.9 g
食物繊維 2.2 g
0.2 g
飽和脂肪酸 0.03 g
多価不飽和 0.02 g
1.2 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
2 μg
(0%)
28 μg
チアミン (B1)
(10%)
0.11 mg
リボフラビン (B2)
(3%)
0.04 mg
ナイアシン (B3)
(5%)
0.8 mg
パントテン酸 (B5)
(18%)
0.90 mg
ビタミンB6
(20%)
0.26 mg
葉酸 (B9)
(12%)
49 μg
ビタミンC
(35%)
29 mg
ビタミンE
(10%)
1.5 mg
ミネラル
ナトリウム
(1%)
11 mg
カリウム
(10%)
480 mg
カルシウム
(4%)
36 mg
マグネシウム
(7%)
24 mg
リン
(7%)
47 mg
鉄分
(5%)
0.6 mg
亜鉛
(2%)
0.2 mg
(9%)
0.17 mg
他の成分
水分 65.6 g
水溶性食物繊維 0.6 g
不溶性食物繊維 1.6 g
ビオチン (B7) 4.1 µg
有機酸 0.4 g

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。別名:かんしょ(甘藷)。廃棄部位:表層および両端(表皮の割合:2 %)
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
サツマイモのアミノ酸スコア [3][4]

サツマイモ(薩摩芋、学名: Ipomoea batatas)は、ヒルガオ科サツマイモ属植物。あるいはその食用部分である塊根(養分を蓄えている肥大した根)。この和名は、琉球(現・沖縄県)を経て薩摩国(現・鹿児島県)に伝わったことに由来する[5]。別名として、甘藷(かんしょ)、唐芋(からいも、とういも)、琉球薯(りゅうきゅういも)、とん、はぬす等と呼ばれる。近縁の植物に、アサガオヨウサイ(アサガオ菜)がある。

英語圏の一部では、サツマイモ「sweet potato」を「Yam」などの別の名前で呼んでいる[6][注釈 1]ヤム芋を育てていたアフリカ系奴隷が、アメリカ合衆国で作られた水っぽい「ソフトスイートポテト品種」をヤム芋と似ていたことから「ヤム」と呼ぶようになった。アメリカなどでは本来のヤム芋は輸入食料品店ぐらいにしか置いてないことから、ヤムと表示されていれば「ラベルに注意書き」が無い限り「ソフト」スイートポテトのことである[7][8]

概要

ピンク色でアサガオに似るが、鈍感な短日性であるため本州などの温帯地域では開花しにくく、品種や栽培条件によってまれに開花する程度である。また、花の数が少なく受粉しにくい上に、受粉後の寒さで枯れてしまうことが多いため、品種改良では種子を効率よく採るためにアサガオなど数種類の近縁植物に接木して、台木から送られる養分や植物ホルモン等の働きによって開花を促進する技術が使われる。

1955年昭和30年)に西山市三メキシコで祖先に当たる二倍体の野生種を見つけ、イポメア・トリフィーダ (Ipomoea trifida) と名付けた。後に他の学者達によって中南米が原産地とされた。若いを利用する専用の品種もあり、主食野菜として食用にされる。原産地は南アメリカ大陸ペルー熱帯地方とされる。大航海時代イタリアクリストファー・コロンブス1498年ベネズエラを訪れて以降、1519年にはポルトガルフェルディナンド・マゼランがスペイン船隊を率いて南端のマゼラン海峡を発見し、16世紀に頻繁に南アメリカ大陸にやってきたスペイン人あるいはポルトガル人により東南アジアに導入された。ルソン島フィリピン)から中国を経て1597年宮古島へ伝わり、17世紀の初め頃に琉球、九州、その後は八丈島本州と伝わった。アジアにおいては外来植物である。中国)から伝来した由来により、特に九州では唐芋とも呼ばれる場合が多い。

ニュージーランドへは10世紀頃に伝播し、「クマラ」(kumara) の名称で広く消費されている。西洋人の来航前に既にポリネシア域内では広く栽培されていたため、古代ポリネシア人は南米までの航海を行っていたのではないかと推測されている。

イギリスではエリザベス朝の頃に、その甘さから好意的に受け入れられた。イギリス人はこの芋をペルーでの塊茎を意味する言葉 batata から patate と呼んだ。18世紀末に甘くないジャガイモ (potato) が一般化するにつれ、サツマイモはsweet potatoと呼ばれるようになった[9]

栽培

栽培法

サツマイモは繁殖能力が高く窒素固定細菌(クレブシエラ・オキシトーカ (Klebsiella oxytoca)、パントエア・アグロメランス (Pantoea agglomerans))など[10][11]との共生により窒素固定が行えるため痩せた土地でも育つ。従って、初心者でも比較的育てやすく、江戸時代以降飢饉対策として広く栽培されている。数枚の葉が付いたツル(茎)を土に挿すという形で定植し[注釈 2]不定根を発生させる。その後、不定根が十分に肥大したところで収穫する方法が一般的である(種から発芽させる方法もあるが、アサガオのようにつるを伸ばして生長するためイモはあまり取れない)。農家では前年に収穫した種芋を加温して、その種芋から伸びたツルを切り取って苗とする。家庭菜園程度であれば春に園芸店やホームセンターなどでツルを購入して栽培するのが簡単である。

に苗を植え付け、晩夏からにかけて収穫する(暖地の場合)。また、肥料(特に窒素肥料)を多く与えて葉や茎が育ちすぎると、過剰成長して根の品質(外見・味)が下がる。また、極端な場合では光合成で作られた栄養が茎や葉の成長に浪費されるため、芋の収穫量が減る。サツマイモは痩せた土地でも育つので、前作で野菜が良く採れた場合、初心者は全く肥料を与えないで栽培する方が安全である。苗が植物ウイルスに感染すると収量低下を起こすため、ウイルスフリー苗が利用されることもある[12][13]

以下は特殊な栽培法についての説明である。