デトロイト
City of Detroit
Detroit Montage.jpg
デトロイトの市旗 デトロイトの市章
市旗 市章
愛称 : Motor City, Motown, Rock City, The D, Murder City, Hockey Town, Hitsville U.S.A., Devil City
標語 : "Speramus Meliora; Resurget Cineribus(英:We Hope For Better Things; It Shall Rise From the Ashes よりよきものへの希望、灰燼からの復興)"
位置
の位置図
座標 : 北緯42度19分53.76秒 西経83度2分51秒 / 北緯42.3316000度 西経83.04750度 / 42.3316000; -83.04750
歴史
市制 1806年
行政
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
  ミシガン州
  ウェイン郡
 市 デトロイト
市長 マイク・ダガン(Mike Duggan
地理
面積  
  市域 370.2 km2 (143.0 mi2)
    陸上   359.4 km2 (138.8 mi2)
    水面   10.8 km2 (4.2 mi2)
  都市圏 9,453 km2 (3,650 mi2)
標高 190 m (623 ft)
人口
人口 (2012年現在)
  市域 701,475[1]
その他
等時帯 東部標準時 (UTC-5)
夏時間 東部夏時間 (UTC-4)
公式ウェブサイト : http://www.detroitmi.gov/
アメリカ最大の自動車メーカーゼネラルモーターズ本社

デトロイト: Detroit [dɨˈtrɔɪt])は、アメリカ合衆国ミシガン州南東部にある都市。南北をエリー湖ヒューロン湖に挟まれており、東はカナダウィンザー市に接する。アメリカ中西部有数の世界都市

人口は、2000年国勢調査では951,270人、2012年では701,475人と減り続けている。デトロイトの都市圏(大都市統計地域:MSA)の人口は4,452,559人であり、全米第9位の規模。フリントなどを含めた広域都市圏(合同統計地域:CSA)の人口は5,357,538人(いずれも2000年国勢調査)で、やはり全米9位の規模である。また、失業率貧困率が高く、犯罪都市としても有名である。主要産業は自動車産業であり、「自動車の街」とも呼ばれる(後述)。

歴史と現在

デトロイトは1805年の大火の後、計画都市として裁判官オーガスタス・ウッドワード英語版によって都市設計され、その後ピーター・シャルル・ランファンへと引き継がれる。元々、馬車自転車製造が盛んだったが、1899年に自動車工業が興る。そして1903年ヘンリー・フォード量産型の自動車工場を建設、「T型フォード」のヒットとともに全米一の自動車工業都市として発展した。後にゼネラルモーターズクライスラーが誕生、フォード・モーターと共にビッグ3と呼ばれた。市はモーターシティと呼ばれるようになり、全盛期には180万の人口を数えたが、その半数が自動車産業に関わっていた。

だが1967年7月にはアフリカ系アメリカ人による大規模なデトロイト暴動が市内で発生し多数の死傷者を出し、ホワイト・フライト(白人の郊外への脱出)が盛んになった。1970年代頃から安価で安全、コストパフォーマンスに優れた日本車の台頭により自動車産業が深刻な打撃を受けると、企業は社員を大量解雇、下請などの関連企業は倒産が相次ぎ、市街地の人口流出が深刻となった。同時に、ダウンタウンには浮浪者が溢れ、治安悪化が進んだ(インナーシティ問題と呼ばれる)。

この様な状況を見て、1970年代にはダウンタウン周辺に高層ビル・コンプレックス「ルネサンス・センター」(GM本社がテナントに入った)を建設したが好転せず、日本バブルを謳歌していた頃、特に市況はどん底に陥っていた。荒れ果てた市街地を逆手に取り映画ロボコップ」などのモデルとなったのもこの頃である(実際にロケを行ったのはさながら未来都市の景観を呈していたダラスであった)。

事態を重く見た市は、1990年頃から大規模な摩天楼が林立するルネサンス・センターをシンボルに都市再生を目指し、ダウンタウンには新交通システム: People mover - ピープルムーバー)が設けられている。日本総領事館も、邦人から治安のいい郊外に設置するよう強い希望があったが、デトロイト市行政当局の運動に協力する意味合いを含めて市街地に設置した経緯がある。また、自動車以外の産業を育てるべく、映画産業の振興も行った[2]

だが、限られた街区を更地にして巨大オフィスビル群を建設するルネサンス・センターの手法は、周囲の荒廃した地域に及ぼす波及効果が低く、都市再生の手法としてはあまり成功していない。依然としてダウンタウン周辺の空洞化は続いており、ダウンタウンには駐車場空地、全くテナントのいない高層ビルも多く、具体的な解決を見ていない。また、富裕層は郊外に移住、貧賤な層が取り残され、治安の改善もあまり進んでいないのが現状である。荒廃した地域では一戸建ての住宅が1ドルで販売されているところもある。

2009年のゼネラルモーターズ破綻、そしてクライスラー破綻とその後の経営状態の回復、世界5大モーターショーの一つである北米国際オートショーの伝統的な開催地となっている他、自動車の殿堂ヘンリー・フォード・ミュージアムを初めとする自動車関連の博物館など、自動車産業観光にも少なからず貢献している上に、依然として自動車会社がデトロイトが全米随一のモーターシティーとして君臨するための貢献を果たしているが、いずれの自動車会社も経営改善を進める中で生産設備の海外移転が進み、これらの自動車会社の先導によるデトロイトの再開発は悲観的となった[2]

なお、2011年あたりから他業種の研究機関などもミシガン州を中心に進出が相次ぐなど、全米の他都市と比較しても経済状況は回復しつつあり、2011年の1月から2月の間に、失業率が約1%減少するなどしている。それだけに、市は治安、特にインナーシティの環境改善が急務であり、1920年代に建てられ荒廃したままになっているビル群の再開発・再利用や、郊外企業のダウンタウンへの移転などに取り組んでいた。

しかし、2013年3月にミシガン州知事は、デトロイト市が債務超過の状態にあることからその財政危機を宣言し、緊急財務管理者を任命した。それに伴い、同年6月、スタンダード&プアーズは、財政破綻の懸念からデトロイト市の格付けをCCCマイナス、見通しをネガティブに引き下げた[3]

2013年7月18日財政破綻を声明し、ミシガン州連邦地方裁判所連邦倒産法第9章適用を申請した。負債総額は180億ドル(約1兆8000億円)を超えるとみられ、財政破綻した自治体の負債総額で2013年当時において全米一となった[4][5][6][7][8][9]

市の発表している統計では、子供の6割が貧困生活を強いられており、市民の半分が読み書きもできず、市内の住宅の1/3が廃墟か空き部屋となっており、市民の失業率(U3[注 1])は18%に達する。また、警官が通報を受けて現場に到着する平均時間は、人手不足のために58分かかる[10]

地理

アメリカ航空宇宙局(NASA)のランドサット7号(LANDSAT-7)が観測したデトロイトの衛星イメージ

アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積370.2 km2(142.9mi2)である。このうち359.4km2(138.8mi2)が陸地で10.8km2(4.2mi2)が水地域である。総面積の2.92%が水地域となっている。

デトロイトはメトロ・デトロイトと東南ミシガン地方の主要都市である。デトロイトで最も高い標高は670フィート(204m)で、大学地区の北西部デトロイトである。逆に、最も低い標高は河岸地域で、579フィート(176m)である。東にはデトロイト川を隔ててカナダのオンタリオ州ウィンザーがあり、デトロイトは主要都市のなかでカナダとの国境に接する唯一の都市である。

同市はハムトラミックとハイランド・パークを内包しており、北東の都市堺にはグロス・ポイントがある。ワイアンドット国立野生動物保護区はアメリカ合衆国で唯一の国際野生動物保護区である。保護区には、デトロイト川と西エリー湖の湖岸線48マイル(77km)に沿って沿岸湿地沼地浅瀬帯、ウォーターフロントの地域が含まれている。

3つのフランス式大通りがデトロイトの道路網を交差している。ワシントンD.C.から影響された放射大通りオハイオ川北西部の道路網をなす東西を結ぶ大通りである。カナダのウィンザーへの交通網は4つあり、そのうち2つの自動車道でアンバサダー・ブリッジとデトロイト・ウィンザー・トンネルがある。鉄道網ではミシガン・セントラル鉄道英語版のトンネルがデトロイト川の下を通っており、残りはデトロイト・ウィンザー・トラック・フェリーによる海路である。フェリーの乗り場は、ウィンザー・ソルト・マインとツーク島である[11]

気候

ケッペンの気候区分では亜寒帯湿潤気候(Dfa)に属する。

デトロイト・メトロポリタン国際空港(1981–2010年、極値1874年- )の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 19
(67)
21
(70)
30
(86)
32
(89)
35
(95)
40
(104)
41
(105)
40
(104)
38
(100)
33
(92)
27
(81)
21
(69)
41
(105)
平均最高気温 °C (°F) 0
(32.0)
1.8
(35.2)
7.7
(45.8)
15.1
(59.1)
21.1
(69.9)
26.3
(79.3)
28.6
(83.4)
27.4
(81.4)
23.3
(74.0)
16.4
(61.6)
9.3
(48.8)
2.3
(36.1)
15
(59.0)
平均最低気温 °C (°F) −7.2
(19.1)
−6.1
(21.0)
−1.9
(28.6)
4.1
(39.4)
9.7
(49.4)
15.3
(59.5)
17.7
(63.9)
17
(62.6)
12.6
(54.7)
6.3
(43.3)
1.3
(34.3)
−4.4
(24.1)
5.4
(41.8)
最低気温記録 °C (°F) −29
(−21)
−29
(−20)
−20
(−4)
−13
(8)
−4
(25)
2
(36)
6
(42)
3
(38)
−2
(29)
−8
(17)
−18
(0)
−24
(−11)
−29
(−21)
降水量 mm (inch) 49.8
(1.96)
51.3
(2.02)
57.9
(2.28)
73.7
(2.90)
85.9
(3.38)
89.4
(3.52)
85.6
(3.37)
76.2
(3.00)
83.1
(3.27)
64
(2.52)
70.9
(2.79)
62.5
(2.46)
850.1
(33.47)
降雪量 cm (inch) 31.8
(12.5)
25.9
(10.2)
17.5
(6.9)
4.3
(1.7)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0.3
(0.1)
3.8
(1.5)
24.4
(9.6)
108
(42.5)
平均降水日数 (≥ 0.01 in) 13.1 10.6 11.7 12.2 12.1 10.2 10.4 9.6 9.5 9.8 11.6 13.7 134.5
平均降雪日数 (≥ 0.1 in) 10.4 8.3 5.4 1.6 0 0 0 0 0 0.2 2.3 8.5 36.7
湿度 74.7 72.5 70.0 66.0 65.3 67.3 68.5 71.5 73.4 71.6 74.6 76.7 71.0
平均月間日照時間 119.9 138.3 184.9 217.0 275.9 301.8 317.0 283.5 227.6 176.0 106.3 87.7 2,435.9
日照率 41 47 50 54 61 66 69 66 61 51 36 31 55
出典: NOAA (relative humidity and sun 1961–1990)[12][13][14]

都市景観

1942年のデトロイトのウッドワード・アヴェニュー
デトロイト・ダウンタウンの夜景

デトロイトの全景において、ウォーターフロントは様々な建築構造のスタイルを垣間見ることができる。現代的なネオゴシックスタイルで設計されたワン・デトロイト・センターのコメリカ・タワーは、同市に所在するアール・デコスタイルの超高層ビルに調和するように設計された。コメリカ・タワーは、ゼネラルモーターズ本社であるルネサンス・センターと共に特徴的な景観を形成している。

デトロイトでアール・デコスタイルを採用した超高層ビルは、有名なフィッシャー・ ビルディングルを始め、ガーディアン・ビルディング(ユニオン・トラスト)、ペノウスコット・ビルディング、キャデラック・プレイスがある。

市内の中で、突出した構造をもつ建造物は、デトロイト美術館、デトロイト・オペラ・ハウス、国内最大のフォックス・シアターがある。

超高層ビルはダウンタウンのニューセンター地域に集中しており、都市近郊の大部分は低階層建造物と一戸建の住宅からなっている。都市中心から外側に高層住宅がウッドワードの西からパーマー・パークとグロス・ポイントの方向に向かって建設されている。

行政区

デトロイトの地域

デトロイトには警察署の管轄区、学区、選挙区などはあるが、厳格な意味での行政区画は存在しない。デトロイト川沿岸からウッドワード通りに沿って北へ広がるダウンタウン、ミッドタウン、新センター、ノースエンド。ハムトラミックハイランドパークに遮られた向こう側のパルマーパーク。その東西両側に広がるイーストサイドとウェストサイド。そしてダウンタウンの東から伸びるジェファーソン通り沿いのジェファーソン回廊とフォート通りに沿って南西方向に突き出したサウスウエストに分かれる。

経済

就業者数で言うと1位:公立学校、2位:市役所、3位と4位が病院、5位:アメリカ合衆国連邦政府、6位:ブルークロス・ブルーシールド協会(保険会社の連合体)、7位:ウェイン州立大学、8位:ミシガン州政府であり(9位:GM、10位:クライスラー)経済が崩壊状態であることがわかる[15][16][17][18]

出身者