きたきゅうしゅうし
北九州市
リバーウォーク北九州/小倉城 旦過市場/JR門司港駅 小倉市街の夜景/東田第一高炉跡
Flag of Kitakyushu, Fukuoka.svg
Symbol of Kitakyushu, Fukuoka.svg
北九州市旗 北九州市章
日本の旗 日本
地方 九州地方
都道府県 福岡県
団体コード 40100-5
法人番号 8000020401005
面積 491.95km2
総人口 945,595[編集]
推計人口、2018年10月1日)
人口密度 1,922人/km2
隣接自治体
市の木 イチイガシ[1]
市の花 ツツジヒマワリ[1]
市の歌 北九州市歌(1963年4月2日制定)
北九州市役所
市長 北橋健治
所在地 803-8501
福岡県北九州市小倉北区城内1番1号
北緯33度53分0.3秒東経130度52分30.7秒座標: 北緯33度53分0.3秒 東経130度52分30.7秒
Kitakyushu city hall 1.jpg
外部リンク 北九州市

北九州市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

特記事項 市旗・市章は1963年昭和38年)3月14日制定
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北九州市(きたきゅうしゅうし)は、福岡県の北部にある政令指定都市関門海峡に面し、九州最北端に位置する。

概要

四大工業地帯の1つ北九州工業地帯において、1963年昭和38年)2月10日門司市小倉市戸畑市八幡市および若松市の5市による新設合併で誕生し、三大都市圏や県庁所在地以外では初の政令指定都市となった[2]。当市を中心とした北九州都市圏のほか[3]、隣接する山口県下関市などとともに関門都市圏を形成する[4]

人口規模は日本の市で13位[5]、九州地方では福岡市に次ぐ2位であり、同市とともにグローバル創業・雇用創出特区として国家戦略特別区域に指定されている[6]。非都道府県庁所在地においては川崎市に次ぐ2位の人口を有する[7]

九州における主要な国道や鉄道路線の起点であり、1880年代(明治20年代)から九州鉄道[8]関門海峡に面した門司港、若松港などの港湾をはじめとする交通基盤の整備が進んだ。2016年4月24日には、東九州自動車道大分市および宮崎市まで直結し、九州自動車道と合わせて交通結節点としての拠点性が向上した[9]

1901年(明治34年)に筑豊炭田から近い八幡村(当時、後の八幡市)に官営製鉄所が設置され、日本国内最大の鉄鋼供給地として工業化が進展した[10]。北九州では、港湾と鉄道が一体となった国際貿易港と鈴木商店による食品工業が集積する門司、軍事産業が集積する小倉、石炭の集散地の若松、官営八幡製鉄所が操業する八幡、紡績や石炭関連産業と水産基地の戸畑と、様々な産業特性の顔を持つ都市が、関門海峡や洞海湾沿岸で互いに競いながら発展してきた[11]

戦後においては、鉄鋼・金属などの重工業を中心に発展し、高度経済成長の原動力となった[11]1990年代後半までは地域経済に占める製造業の割合が大きかったが、2000年代にはサービス業と逆転し、産業構造の転換が進んでいる[12]。また、北九州エコタウンなどのエコビジネスも集積している[13]

地理

位置・地形

関門海峡の衛星写真。下側が北九州市、上側が下関市。※多少歪みあり

九州の北東端に位置する。市の北側は日本海響灘)に、東側は瀬戸内海周防灘)に面し、関門海峡を挟んで本州下関市とは最も幅が狭い早鞆瀬戸において約650メートル (m) の距離で向かい合う[14]

市の海岸は入り組んでおり、2009年3月時点の海岸線の総延長は約226キロメートル (km) と政令指定都市の中では最も長い[15]。関門海峡は若松区沿岸から門司区沿岸にかけて約20 kmに渡りS字形の水域を形成し[14]、九州本島と若松半島の間にある洞海湾は湾口から約13 kmに渡る奥行きを持つ[16]

海岸線のうち8割は港湾等の人工海岸であり、自然海岸の延長は約20 kmとなっている[17]。響灘沿岸の自然海岸では岩屋漁港周辺の海浜にてウミガメ上陸が確認されており、周防灘沿岸には曽根干潟や喜多久自然海浜保全地区等が残る[18]

市域の中央部は福智山地の北部をなし、門司区・企救半島の脊梁である企救山地(足立山妙見山・風師山・戸ノ上山等)、小倉南区の貫山山地(貫山等)、戸畑区南部・八幡東区に広がる皿倉・尺岳山地(皿倉山・帆柱山・権現山・福智山・尺岳・金剛山等)、若松区・若松半島の脊梁である石峰山地(石嶺山・岩尾山・弥勒山等)に細分される[19][20]

これらの山間部は北九州国定公園に指定され[21]皿倉山は「100億ドルの夜景」として新日本三大夜景に選定されている[22]。福岡県北部から山口県西部にかけては石灰質の地形が拡がり、市内にはカルスト台地平尾台がある[23]。その他山系の主峰ではないが、公園として整備されている山として、高塔山公園[24]、 中央公園(金比羅山)[25]、 古城山(和布刈公園)[26] などがある。

市内を流れる紫川板櫃川金山川遠賀川等があり、これらの河口部を中心に扇状地や海岸平野が分布している[19]が、上記の通り山地が多く海に隣接した地形であり、可住地面積は市全体の20%程度に限られる[27]。遠賀川のほか、山間部に建設された畑ダムや鱒淵ダム等のダム湖が都市部への水供給を支えている[28]

市内のとして、藍島馬島白島(男島・女島の総称)、和合良島、間島、羽島、軽子島、津村島がある[29]。また、人工島として北九州空港などがある[29]

気候

北九州市(八幡
雨温図説明
123456789101112
 
 
83
 
9
2
 
 
82
 
11
3
 
 
126
 
14
5
 
 
127
 
19
10
 
 
156
 
24
14
 
 
268
 
27
19
 
 
300
 
31
23
 
 
169
 
32
24
 
 
187
 
28
20
 
 
75
 
23
14
 
 
89
 
17
9
 
 
68
 
12
4
気温(°C
総降水量(mm)
出典:気象庁 八幡(1981年 - 2010年の平均値)

北九州市の東部は瀬戸内海周防灘)、北部は日本海響灘)に面しており、瀬戸内海気候日本海気候の中間的な傾向を示し、比較的温暖である[30]。季節風の影響を受けやすく、冬は西からの風が強く、春から秋にかけては南からの風が強い[30]

響灘は日本海特有の冬季の風浪の影響を受けるが、周防灘は瀬戸内海特有の比較的平穏な海域となっている[31]。春先は関門海峡で濃い霧がしばしば発生する[31]。梅雨明け後は太平洋高気圧に覆われ、晴れて暑い盛夏になり、最高気温35度以上の猛暑日が増える[32]。冬型の気圧配置になると曇天になることが多く、雪が降ることもある[33]

北九州観測局の2006年(平成18年)の測定結果によると、年平均気温17.0度、年平均湿度72.9%、年間降水量2,237.0mmであった[30]

北九州市(八幡)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 18.7
(65.7)
24.0
(75.2)
25.2
(77.4)
30.1
(86.2)
32.4
(90.3)
34.2
(93.6)
36.9
(98.4)
36.7
(98.1)
34.5
(94.1)
33.0
(91.4)
26.3
(79.3)
24.8
(76.6)
37.0
(98.6)
平均最高気温 °C (°F) 9.4
(48.9)
10.5
(50.9)
13.7
(56.7)
19.2
(66.6)
23.6
(74.5)
26.8
(80.2)
30.5
(86.9)
31.6
(88.9)
27.9
(82.2)
22.9
(73.2)
17.4
(63.3)
12.2
(54)
20.47
(68.86)
日平均気温 °C (°F) 5.8
(42.4)
6.5
(43.7)
9.5
(49.1)
14.4
(57.9)
18.7
(65.7)
22.4
(72.3)
26.4
(79.5)
27.4
(81.3)
23.7
(74.7)
18.3
(64.9)
12.9
(55.2)
8.1
(46.6)
16.2
(61.2)
平均最低気温 °C (°F) 2.4
(36.3)
2.8
(37)
5.4
(41.7)
9.8
(49.6)
14.3
(57.7)
18.7
(65.7)
23.2
(73.8)
24.1
(75.4)
20.2
(68.4)
14.0
(57.2)
8.8
(47.8)
4.4
(39.9)
12.34
(54.21)
最低気温記録 °C (°F) −4.0
(24.8)
−6.2
(20.8)
−3.8
(25.2)
0.5
(32.9)
6.4
(43.5)
10.5
(50.9)
15.4
(59.7)
17.6
(63.7)
8.9
(48)
3.5
(38.3)
0.7
(33.3)
−3.6
(25.5)
−12.6
(9.3)
降水量 mm (inch) 82.8
(3.26)
82.0
(3.228)
126.0
(4.961)
126.9
(4.996)
156.1
(6.146)
267.9
(10.547)
299.9
(11.807)
168.5
(6.634)
186.6
(7.346)
75.4
(2.969)
89.2
(3.512)
68.0
(2.677)
1,729.3
(68.083)
平均月間日照時間 94.6 113.6 146.0 184.5 198.2 149.5 168.8 197.5 158.4 170.4 131.4 112.6 1,825.5
出典: 気象庁

隣接している自治体

福岡県内では、中間市直方市行橋市遠賀郡芦屋町水巻町)、鞍手郡鞍手町)、田川郡香春町福智町)、京都郡苅田町みやこ町)に隣接している。

山口県下関市とは陸続きではないが、橋梁、海底トンネル、航路で結ばれている。

人口

旧五市の国勢調査人口の推移[34]

                     Symbol of Yahata Fukuoka.png 八幡市                      Kokura Fukuoka chapter.png 小倉市                      Symbol of Moji Fukuoka.png 門司市                      Symboo of Tobata Fukuoka.png 戸畑市(戸畑町)                      Symbol of Wakamatsu Fukuoka.png 若松市


旧五市の人口は、合併前でみると八幡・小倉両市の比率がやや高かったが、「多核都市論」に基いて五市対等合併をし、旧五市の均衡発展を目指した[35]。しかし、1988年(昭和63年)策定の北九州市ルネッサンス構想により小倉都心(小倉北区)と黒崎副都心(八幡西区)の両極を中心とした「集中型都市」へと舵を切った[35]。これらの政策転換を背景に小倉都心では商業・文化・行政・業務施設など都市機能の集積が進んだ一方、黒崎地区は商業機能が低下し、小倉・黒崎の2極構造から小倉一極集中型へと変化しつつある[36]

合併後から1978年に福岡市に抜かれるまでは福岡県および九州で最多だった市の推計人口[39] 1979年に記録した108万6415人をピークに減少が続いている[40]。2004年4月の推計人口で初めて100万人を割り込み、同年5月に一旦100万人台を回復したものの、2005年1月に100万人を割って以降は100万人台を回復することなく[41]、2007年以降は毎年平均4000人程度減少が続く状態で[42]、2014年時点では福岡市の人口が北九州市の人口の1.5倍以上となっており[39]、2015年10月1日付国勢調査による人口は96万1815人となっている。2010年の国勢調査による人口と比べ、5年間で15,031人減少し、全国の自治体で人口減少数が最も多い都市となった[43]国立社会保障・人口問題研究所は、2040年における市の将来推計人口を78万4162人と見込んでいる[41]

国勢調査人口の推移(単位:万人)[44][45]

                     旧5市の合計の人口                      北九州市の人口                      福岡市の人口                      福岡市の現市域にあたる地域の人口


Demography40100.svg
北九州市と全国の年齢別人口分布(2005年) 北九州市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 北九州市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
北九州市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

2015年国勢調査では、市の平均年齢は47.5歳(男45.3歳・女49.4歳)である[46]。年齢3区分別人口は年少人口(0歳から14歳まで)が11万9,448人(構成比12.6%)、生産年齢人口(15歳から64歳)までが54万9,397人(同58.1%)、老年人口(65歳以上)が27万7,120人(同29.3%)であり、老年人口の占める割合は政令指定都市で最も高くなっている[46]

行政区の人口・面積と人口密度

以下の7つので構成される(自治体コード順)。

区名 人口
(人)[47]
割合(%) 面積
(km²)
人口密度
(人/km²)
1 門司区 96,172 10.2 73.67 1,305
2 若松区 80,940 8.6 71.31 1,135
3 戸畑区 57,967 6.1 16.61 3,490
4 小倉北区 182,220 19.3 39.23 4,645
5 小倉南区 210,118 22.2 171.74 1,223
6 八幡東区 65,944 7 36.26 1,819
7 八幡西区 252,234 26.7 83.13 3,034
合計 945,595 100 491.95 1,922

地名

市街地構成

旧五市では貿易や筑豊炭田の積み出し基地として港湾が整備され、製鉄所など臨海部への重化学工業の展開があいまって鉄道網が発達した。 平地が少なく山地が複雑に入り組んだ地勢に加え、豊前国筑前国と異なる歴史的な背景を持つなど、現在も独自の文化・生活面での結びつきが見られる[48]

このような経緯から、北九州市の都市構造は、旧五市の鉄道駅を中心に市街地が発展し、それらが鉄道沿いに細長く繋がり都市軸が形成された[48]

旧市単位で公共施設が整備されたため、全国の政令指定都市20市の中でも、人口1人あたりの公共施設面積が最も大きいという特徴を持つ[49]

その後、交通網の充実、都市軸への各種機能集積、郊外化の進行などにより、都市構造は本州から福岡方向の東西軸と小倉から大分方面、黒崎から直方方面の2本の南北軸を持つπ(パイ)型の都市構造へ移行した。この都市軸が交差する小倉黒崎では交通結節機能や拠点性が高まるようになった[48]

北九州市は小倉を都心、黒崎を副都心と位置付け、また合併前各市の中心市街地(門司港戸畑若松)と鹿児島本線および日豊本線の主要駅付近(門司八幡折尾城野下曽根など)を地域拠点と位置付けている[50]

主な市街地は以下の通りである。