家庭用接着剤の例
家庭用接着剤の例
プラモデル同梱用のプラモデル専用接着剤
プラモデル同梱用のプラモデル専用接着剤
糊

接着剤(せっちゃくざい、AdhesiveGlue)は、物と物をつなぐ(接着)ために使われる物質。塗料ラミネートシーリング材なども、片面を接着するという機能から接着剤の一種に含まれることがある。なお、日本では家庭用品品質表示法の適用対象とされており雑貨工業品品質表示規程に定めがある[1]

接着接合の特徴

接合法のひとつにあげられる「接着」は、次のような特徴を持っている。

長所

  • 接着しようとする物(以下「被着材」)について、さまざまな種類に対応する。また、種類が異なる被着材同士を接合することもできる。
  • 大きさや厚みといった、被着材がどんな形をしているかに左右されない。
  • 面と面を接合させるため、応力を分散させることができる。
  • 軽く、仕上がりの美観が良い。
  • 接着剤は大量生産することができ、また接合作業を自動化することが簡単にできる。
  • 気密性・水密性があり、また接着剤の成分処方を変えることで様々な機能を加えられる。

など。

短所

  • 一般的に、耐熱性や耐寒性はあまり高くない。
  • 一般的に、可燃性のものが多い。
  • 被着材の種類に対応した接着剤を選ばなければならない。
  • 適切な接着条件を守らないと、その性能を充分に発揮できない。
  • 一般的に、一度接着した被着材同士を分離することが難しく、解体が非常に困難になる。
  • 被着材とは異なる物質を使うケースが多いため、リサイクルを阻害してしまう場合がある。
  • 溶剤を使用した接着剤(プラスチック用、ゴム系など)では使用中の換気を必要とし、悪用すれば有機溶剤中毒に陥る。

など。

接着の過程

接着のメカニズムには5つ存在するが、接着剤においてはそのうちの3つが主に関わっている(物理的接着・化学的接着・分散接着)。場合によっては拡散接着も関与する。

接着は、まず接着剤が被着材の表面を充分に濡らし、次いで硬化する事で成り立つ。

接着は一部を除いて、原子または分子が相互に拡散する溶接とは異なり、接合する界面 (bond line) が存在する。そのため、接着力は被着材の表面状態に大きく左右されてしまい、事前に表面処理を施すことが望まれる。具体的には、洗浄研磨で異物を取り除く、金属では防錆剤油分酸化物を除去する、プラスチックゴム成形品では残留離型剤を除去するなどがある。また、一部の被着材にあらかじめプライマーを塗布し、接着力の向上を図るケースも表面処理のひとつにあげられる。

被着材を濡らすために、接着剤は初期に液体状またはそれに近い流体状になる必要がある。固体でも圧力など外部作用により流動する状態に変化できていればよい。この流動性を持った接着剤が、基本的には被着材の接合しようとする面全体に塗布されていなければならない。接着剤の塗布には、器具(はけ、ヘラ、ローラー、コーキングガンなど)を利用した手作業による簡易塗布手法と、大量生産に対応するために専用の設備(エア・スプレー、ノズルスプレー、コーター、ビード、ディスペンサー、ポッティングマシンなど)を使用した塗布方法などがある。

次に硬化し、接合に必要な強度を持つことで接着する。その過程は、重合や硬化剤などとの化学反応溶媒の蒸発、固体ならば外部作用からの解放や反作用にて行われる。この時、被着材の接合しようとする面と接着剤が適切かつ充分に接触していなければならず、オープンタイムを過ぎているなど接触させるタイミングを逸すると本来の接着力は発揮されない。また、ホットメルトや感圧型、Bステージ樹脂などを除き、接着剤が充分に硬化するまで静置し養生させる必要がある。

接着剤の性状評価

同じ種類の接着剤でも、その用途に対応した様々な改良が加えられた品番があり、使用法に応じて選定する必要がある。性状評価とは、選定の指標となる物性の評価項目である。

接触角
被着材との濡れ性。接着剤は基本的に、被着体を十分に濡らせる性質が不可欠であり、これは被着体との相性によって変わる。その性能の指標となるものが接触角であり、目視の他に接触角計といわれる装置で測定される。被着体の上に接着剤(液化された状態のもの)を滴下し、接着剤界面のカーブの微分された傾きと、被着体との角度を求める。この角度が小さければ小さいほどよく濡れるとの判定を行う。
粘度流動性レオロジー
粘度は、接着剤を塗布する方法と適合するものを選択する必要がある。壁面へ塗布する場合などでは、ある程度の粘度を持っていなければ接着剤が付着した状態を維持できない。逆にノズルなど機械的に塗布する場合には、高粘度の接着剤は不適となる。
測定には回転粘度計を使用し、単位はmPa・sまたはPa・s(パスカル秒)にて表示する。
構造粘性
構造粘性とは、液体を攪拌した際にその粘度が変化する性質を言う。接着剤は一般に、塗布作業を容易にするために攪拌する速度が増すにつれ粘度が低下する傾向(チキソトロピーthixotropy、揺変性)を持たせているが、特に大量生産用を目的とした自動化を行う場合には、具体的な塗布方法にマッチした構造粘性の特性を持つ品番を選定し作業時のトラブルを低減することが求められる。
水素イオン指数 (pH)
被着材の種類によっては、強酸性または強アルカリ性接着剤が腐食などの影響を及ぼすことがあり、接着剤を選定する際に考慮しなければならない場合がある。