「@」(単価記号、アットマーク)はすべてのSMTP メールアドレスで使われる[1]

電子メール(でんしメール、英: Electronic mail、E-mail、Eメール)は、コンピュータネットワークを使用して、郵便のように情報等を交換する手段である。電子郵便(でんしゆうびん)とも言う。

概要

インターネットの初期からある通信手段であり、UUCPSMTPなどのプロトコルを介して、メールを相手サーバに届けられる。電気的な信号で送受信を行うのでかかる時間は数分程度である。

一方で、インターネットの普及以前にコンピュータ通信手段として広く行われていた、いわゆるパソコン通信でも、加入者同士で文書のやり取りを行うシステムが「電子メール」として提供されていた。ただし、パソコン通信では、一般的に、通信が1つのパソコン通信システム内にとどまっていたので、他のシステムとの間での電子メールの交換機能などの相互通信機能はほとんどなかった。また、各パソコン通信システムごとに独自のシステムが構築されていた事が多かったので、ユーザインターフェイス等についても互換がなかった。しかしその後、インターネットの普及に伴って、大手パソコン通信システムとインターネット間で相互に通信が可能にもなった。メール友達(メル友)も、流行になった時期があった。

なお、以下では「広義のメール」と記載が無い物はRFCに準拠した、UUCP、SMTPのプロトコルを使用した電子メールについてのみ記述である。それ以外の電子メールについては上記の各関連項目を参照のこと。

狭義のメール

    • 他のコンピュータ(サーバ、ホスト)にログインして見るメール - クライアントの端末ソフト(ウェブブラウザTelnet端末など)以外のソフトウェアを必要としないメール。そのサーバまではRFCに準拠した方法で伝達されている。ウェブメールも広義の電子メールであり、これを用いたフリーメールサービスも普及している。
    • 電子掲示板(BBS)ブログのコメント - インターネットが普及し始めた頃(あるいは現在も)、それらを「メール」と呼称していた初心者がいた。
    • ショートメッセージサービス(SMS) - 携帯電話PHS間でごく短い文章を送受信する、iモードなどのサービス開始前より行われている。
    • 一般

      個々の電子メールのアドレスは、「[email protected]」などのような形で表現される。実際に電子メールを使うためには独自ドメイン名(この例では「example.wikipedia.org」)を得て、ドメイン名を管理するDNSサーバメールサーバに登録する必要があることがほとんどである。

      一般的には、加入インターネットプロバイダ勤務先・通学先の企業学校などのアドレス(アカウント)になっていることが多い。

      容量については理論的には制限はないが、送受信可能な最大容量は、プロバイダの提供する容量で制約を受ける。一般的には、ダイヤルアップ接続時代の名残の数メガバイト(MB)から、近年のブロードバンド対応として大容量を謳ったものでは100MB~数GB(ギガバイト)程度に設定されることが多い[要出典]。主要プロバイダの一例としてはOCNが10MBまで[2]So-netが20MBまで[3]Biglobeが100MBまでである[4]。これ以上の大容量のデータのやり取りにはFTPP2PHTTP等によるオンラインストレージファイル転送サービスアップローダーなどを使用する。

      無料アドレス(フリーメールサービス)の場合は、プロバイダなどのアカウントで利用する一般的な電子メールクライアントソフトではなく、ウェブブラウザを使ってウェブページ上で、送受信を行うウェブメールがほとんどである。

      プロトコル

      現在、インターネットでは、メールサーバ間での通信およびクライアントからの送信には、一般にSMTPが使われる。古くは、また現在でも希に、UUCPが使われる。メールは、数々のサーバーリレーのように経由して目的のメールサーバに伝えられる。なお、電子メールには、送信者の使用メールソフトや経由サーバーなどのヘッダーと呼ばれる情報が付属されている。

      メールサーバからメールを読み出す場合には、POPIMAPなどのプロトコルが用いられる。メールの書式については、RFC 5322で規定がある。また、英字以外の文字・言語テキスト以外の情報をメールで送るなどのためにMIMEが規定されている。

      文字コード

      元来のメールの文字コードUS-ASCIIのみであったが、上記MIMEの規定により様々な文字コードが使えるようになった。

      かつての日本のJUNETではJIS規格に基づく規則を決めて日本語を扱えるようにした[5]。この規則をMIMEの枠組みで再定義したものがISO-2022-JPである。現在の日本語メールでは、このISO-2022-JPが広く用いられている。

      RFC 2277では、出来るだけ広く知られた文字コードを選ぶように注意を促している。これはUTF-8が普及するまでの暫定的なものであるが、その期間は50年であるかもしれないので事実上は永遠と考えてよいとも書かれている[6]

      メール形式

      元来は、メールは文章程度のプレーンテキスト形式の物のみであったが、上記MIMEの規定および普及に伴って、メール本文をHTMLにより記述したHTML形式のメールも、RFCに規定されて一般にも使われるようになった。

      HTML形式のメールは、メール本文がHTMLで記述できるのでメールにWebページと同様の表現力を持たせられる利点がある。携帯電話PHSでも、cHTML形式のメールが一般向け仕様のサービスとして提供されているものもある。

      その一方で、特に、Microsoft Windows と、その標準メールクライアントである Outlook Express(初期設定ではメールの作成時にHTML形式が選ばれる)の普及に伴って、HTML形式のメールが送受信されることも多くなった。しかしながらメールクライアントにおいては、メール中のHTML情報を展開し表示するためのレンダリングエンジンInternet Explorerをはじめとするウェブブラウザ)にしばしばセキュリティホールが発見されているので、メールを見る(プレビューする)だけで、コンピュータウイルスが侵入する被害を受けたり、迷惑メール架空請求メール等で画像タグを埋め込んだメールを送りつけて表示させて、メールを表示させた情報を収集(ウェブビーコンと言う)して悪用するなど、セキュリティ上の問題がある(ただし「HTMLメールを表示する事」は「ブラウザでWebページを表示する事」と、技術的には根本的な違いはない)。対策としては、ウイルス対策迷惑メール対策ソフトを導入するか、HTML形式のメールをフィルタリング機能で受信を拒否する・ゴミ箱フォルダへ振り分けるなどがある。また、HTMLメールの表示に対応していないメールクライアントもあって、断り無くHTML形式のメールを送信しても正しく受信されないおそれがある。

      なお、あるファイルデータをメールに添付して送る場合、添付ファイルとしてMIMEなどによってテキスト化(エンコード)をしてメール本文に埋め込んで送信して、受信側で元のデータファイルに復元(デコード)する方法が取られる。添付ファイルには、コンピュータウイルスも仕込み可能なので、受信時に添付ファイルを自動的に開く設定になっていると、やはりコンピュータウイルスが侵入する被害を受けるなどの危険もある。

      ヘッダー情報

      一通一通それぞれのメールは、本文とは別に、ヘッダーフィールドと呼ばれる各種の特殊な情報が記載された領域を持つ。ほとんどのメールクライアントでは、何らかの方法(メールクライアント毎に異なる)によって、このヘッダーフィールドの情報を参照可能である。この情報は、脅迫メールやスパムなどのメールが届く場合などに、送信元の特定などに威力を発揮する。ただし、偽装も可能で必ずしもすべてのヘッダフィールドを付加する必要はないので、完全には判断できない。

      代表的なヘッダフィールド

      ヘッダーフィールドは フィールド名:フィールド値 という形で記載される。

      Bcc
      Cc
      Ccはカーボンコピーの受取人、Bccはブラインドカーボンコピーの受取人のメールアドレス。単数や複数の名前やアドレスも含められる。#CcとBccを参照。
      Date
      送信者が送信を行った日時
      From
      著者のメールアドレス[7]。単数または複数の名前やアドレスも含められる。
      このヘッダーの記載は送信者がメールクライアントの設定によって自由に変更できる。このようなメールの仕様から、いわゆる「なりすまし」などの悪用を完全に防ぐことは困難とされる。
      In-Reply-To
      返信元メールなどのMessage-IDの値の一覧
      Message-ID
      メール一通一通に付加された固有の番号
      MIME-Version
      MIMEのバージョン
      Received
      このメールが届くまでに経由したメール転送エージェントIPアドレス)および経由した日時
      Reply-To
      送信者が返信先として希望するメールアドレス
      Return-Path
      SMTP通信で送信元として伝えられるメールアドレス
      Sender
      送信者のメールアドレス[8]。名前も含められる。著者と送信者が同一、すなわちFromが単一のアドレスでSenderと同じ場合は使うべきではない。逆に、異なる場合は必須である。
      Subject
      話題を表す短い文。日本語では件名、サブジェクトなどと呼ばれる。返信の場合はRe:、転送の場合はFw:が先頭に自動的に付加される場合が多い(#ReとFwを参照)。
      To
      受取人のメールアドレス。単数または複数の名前やアドレスも含められる。
      X-FROM-DOMAIN
      送信者のドメイン
      X-IP
      送信者のグローバルIPアドレス
      X-Mailer
      メールクライアントの種別
      X-Priority
      送信者が指定した重要度

      保存形式